「あなたの土地は大丈夫?」知らないと損をする地盤のこと vol.10

このページで使用している画像、文章は「株式会社 扶桑社」の了承を得て転載させていただいております。
「新しい住まいの設計」

1994年10月号

(解説・監修 ジオテック株式会社 住宅地盤相談室)

相談内容

千葉県 船橋市 山本英二さん(仮名・35歳)


一戸建てを建てようと土地を探しています。簡単に地盤の良し悪しを知る手がかりはないものでしょうか?


一時期のバブルのころに比べると土地の値段がかなり下がったことと、金利が低水準なので、いま住んでいる借家をひき払うつもりで、新たに一戸建ての土地を探しています。

東京近郊のいろいろな場所にでかけて下見をしていますが、素人ゆえの悲しさで、さすがに地盤の良し悪しまでチェックすることができません。

そのたびに地盤調査をお願いすればよいのでしょうが、まだ他人様の土地なので、仲介の不動産業者に調査することの了解をもらうのも気が引けて、いつもうやむやになってしまいます。

せっかく一生に一度の大きな買い物をするのですから、後悔のないようにと思うのですが、何か手軽に地盤の良し悪しを知る手がかりはないでしょうか?

回答

結論から申し上げれば、そんな便利なものは存在しない、というのが本当のところです。

極端な場合は10メートルはなれただけなのに劇的に地盤の性状が異なるということがあるので、実際に地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験)を実施し、数字で地盤を把握する必要があるからなのです。ただし、まったく手がかりがないかといえばそうとばかり言えなくて、地盤の良し悪しを推測する手法がいくつかあるのでご紹介しましょう。

これまで連載してきた記事でも触れたことなのですが、ひとつは「風景を読む」ことによって、地盤の悪そうな場所を推定していくのです。実は、水の集まりやすい低い土地ほど地盤が悪いということがあって、懸案の土地が周囲にくらべて低く窪んだ場所に該当するかしないかを見ていくのです。下り勾配の坂道を下りていった先に目的の土地がある場合は、自分はいま地盤の悪い地域に向かって歩いているのだと考えたほうが無難です。特に水路、河川あるいは水路を埋めた暗渠のそばは要注意です。

さらに「土地条件図」から判断するという方法もあるのでお勧めします。地盤の良し悪しは地形と密接に関連していますから地形の種別を判読することのできる特殊な地図をみれば、たとえ現地を実地に見ていなくとも、おおよその地盤の性状を知ることはできるものです。

スウェーデン式サウンディング試験のデータと「土地条件図」の地形分類とを照会してみますと、百発百中とはいかないにせよ、地形によって地盤の良し悪しの傾向が明瞭に区分されているので、データの裏付け資料として不可欠の地図になっています。

「土地条件図」は比較的大きな書店で注文で取り寄せることが可能です。作成するのに膨大な手間がかかるために、いまだに全国を網羅するまでには至っていませんが、東京首都圏、東海道沿い、名古屋、京阪神、仙台、新潟などで、お住まいの地域をあたってみるとよいでしょう、お尋ねの船橋市であれば、西は上野から東は津田沼あたりまで記載されている「東京東北部」というタイトルの図面をご覧になると便利です。


教訓

坂道を下りていく先にある土地は要注意。低地や崖地を調べたい時は「土地条件図」を見てください。