狭山市の地盤

狭山市の地盤概要 入間川17* 南入曽27* 南入曽10* 柏原18* 笹井12*

狭山市の地形

狭山市の地形は、入間川流域の氾濫低地とこれをはさむ二つの台地(武蔵野台地・入間台地)からなる。

入間川以北に分布する入間台地は、小河川と水路が樹枝状の谷を形成している。一方、武蔵野台地はおおよそ国道16号線を境として、市の南東一帯を広く覆い、不老川を中心とする段丘状の台地面を成す。これは台地の形成過程が浸食によるものではなく、広範囲にわたる降灰の堆積によって、不老川の河岸段丘ローム層が形成されて台地化したことを示している。

地形・地質と住宅地盤

台地面

比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は、上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は、安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。

*国道16号沿いの台地面に比べると、不老川付近の台地面は高度が低い(ロームの層厚は薄い)。不老川付近では浅い深度で締まった砂や砂礫層 に達することが多く、不老川の旧河床または自然堤防に由来すると考えられる。

地盤データ例
  1. B.南入曽27*
  2. C.南入曽10*

台地と低地の境

台地の側面が低地側へと下っている斜面で、台地面と同様に安定した地盤となっている場所もあるが、後背地から浸透してくる雨水や地下水の影響で地盤が軟弱化したり、雨洗によって台地側から運ばれて再堆積した軟弱土が分布する。また、人為的に造成されているため、場所によって盛土の厚さが異なるように地盤のバランスが悪くなっていることがある。したがって、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となることも多い。

地盤データ例
  1. A1.A2入間川17*

谷底低地

台地部が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土腐植土)などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下(圧密沈下)を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

地盤データ例
  1. D.柏原18*

氾濫低地

荒川流域に広く分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、軟弱な粘土シルトが厚く分布しているため、長期的な沈下(圧密沈下)が問題になっている場所が多く、適切な基礎補強策が必要となる。

*入間川流域では、比較的浅い深度に砂や砂礫質の硬質層が分布する傾向がある。

自然堤防

周囲の氾濫低地海岸低地と比べ海抜高度がわずかに高く、河川に沿って帯状に分布している。河川によって運搬された砂や砂礫が浅い深度から分布しているため、住宅地盤としては、比較的良好な場合が多い。しかし、河川の氾濫と蛇行によって、自然堤防の上に新たな軟弱な粘性土緩い砂が堆積している場合には、基礎補強対策が必要となることがある。

地盤データ例
  1. E.笹井12*