熊谷市の地盤

熊谷市の地盤概要 太井* 箱田81* 上之302* 小曽根37* 久保島211* 万吉67* 三ヶ尻546* 別府5丁目

熊谷市の地形

熊谷市は、荒川上流部に広がる妻沼低地に位置している。市の西部と南端部には台地(櫛引台地)や丘陵地(比企丘陵)が分布しているが、いずれも範囲は狭く、それ以外はすべて荒川の氾濫低地となっている。この氾濫低地には荒川の幾度もの蛇行と氾濫の痕跡として、川によって運搬された砂分が小高く堆積した微高地(自然堤防)が広く分布している。

地形・地質と住宅地盤

台地面

比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は、上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は、安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。しかし、下部の凝灰質粘土は部分的に軟弱になっていることがあるので、ローム土が薄く、凝灰質粘土が浅く分布している場合には、基礎補強対策が必要となることがある。

地盤データ例
  1. A.別府5丁目
  2. B.三ヶ尻546*

台地と低地の境

台地の側面が低地側へと下っている斜面で、台地面と同様に安定した地盤となっている場所もあるが、後背地から浸透してくる雨水や地下水の影響で地盤が軟弱化したり、雨洗によって台地側から運ばれて再堆積した軟弱土が分布する。また、人為的に造成されているため、場所によって盛土の厚さが異なるように地盤のバランスが悪くなっていることがある。したがって、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となることも多い。

谷底低地

台地部が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土腐植土)などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下(圧密沈下)を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

氾濫低地

荒川流域に分布する標高の低い平坦面である。上流域に位置しているため、浅い深度から密実な礫層が分布していることが多く、低地部としては比較的問題の少ない地域である。しかし、礫層上部に軟弱土が厚く堆積している場合には適切な基礎補強策が必要となる。

地盤データ例
  1. F.上之302*
  2. G.箱田81*
  3. H.太井*

自然堤防

周囲の氾濫低地海岸低地と比べ海抜高度がわずかに高く、河川に沿って帯状に分布している。河川によって運搬された砂や砂礫が浅い深度から分布しているため、住宅地盤としては、比較的良好な場合が多い。しかし、河川の氾濫と蛇行によって、自然堤防の上に新たな軟弱な粘性土緩い砂が堆積している場合には、基礎補強対策が必要となることがある。

地盤データ例
  1. C.万吉67*
  2. D.久保島211*
  3. E.小曽根37*

丘陵地

海抜高度が高く、自然地盤は堆積年代の古い安定した地層で形成されているが、起伏に富んだ地形となっているため、切土盛土による大規模な造成が施されていることが多い。比較的平坦な頂丘部や切土主体の宅地では良好な地盤となっているが、盛土主体の宅地や切土地盤盛土地盤が混在する宅地では、バランスの悪い地盤となっており、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となる。