横浜市磯子区の地盤

横浜市磯子区の地盤概要 洋光台4丁目 洋光台1丁目 中原1丁目 滝頭2丁目 岡村3丁目 岡村7丁目

横浜市磯子区の地形

磯子区は多摩丘陵下末吉台地とに位置しており、磯子駅以北にはだいたい台地が、以南には起伏に富んだ丘陵地がそれぞれ分布する。この地域の下末吉台地は平坦面が極めて少なく、多摩丘陵と同様、主に斜面と大小の谷によって構成されている。北部の堀割川下流域では、海岸線に形成された比較的大きな砂堆(微高地)の内側に氾濫低地が分布するほか、京急屏風浦駅・杉田駅付近には海岸低地や砂堆がわずかに分布している。また、ほぼ旧海岸線を走る国道16号(横須賀街道)を境にして、海側は広域埋立地となっている。

地形・地質と住宅地盤

台地面

比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。しかし、下部の凝灰質粘土は部分的に軟弱になっていることがあるので、ローム土が薄く、凝灰質粘土が浅く分布している場合には、基礎補強対策が必要となることがある。

*磯子区内の下末吉台地とされる地域では、ローム土の平坦面はわずかであり、外周部は隣接する多摩丘陵とよく似た斜面地形となっている。

地盤データ例
  1. A.岡村7丁目

丘陵地と低地の境

もともとは台地の側面が低地側へと下っている斜面であり、人為的に平坦面にしていることから、場所によって盛土の厚さが異なっていたり、切土と盛土が混在しているため、地盤のバランスが悪い。また、盛土の下には、台地側から運ばれて再堆積した軟弱土が分布していることがある。したがって、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

谷底低地

台地部が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土腐植土)などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下(圧密沈下)を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

地盤データ例
  1. B.岡村3丁目

丘陵地

海抜高度が高く、自然地盤は堆積年代の古い安定した地層で形成されているが、起伏に富んだ地形となっているため、切土盛土による大規模な造成が施されていることが多い。比較的平坦な頂丘部や切土主体の宅地では良好な地盤となっているが、盛土主体の宅地や切土地盤と盛土地盤が混在する宅地では、バランスの悪い地盤となっており、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となる。

地盤データ例
  1. E.洋光台1丁目
  2. F.洋光台4丁目

氾濫低地

堀割川下流域に分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、軟弱な粘土シルトが厚く分布しているため、長期的な沈下(圧密沈下)が問題になっている場所が多く、適切な基礎補強策が必要となる。

地盤データ例
  1. C.滝頭2丁目

海岸低地

東京湾沿岸に広く分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、上部には緩い砂や軟弱なシルトなどが分布しているため、標準的な基礎では、十分な耐力を確保することが困難であり、適切な基礎補強策が必要となる。

砂堆・砂丘

周囲の海岸低地と比べ海抜高度がわずかに高く、海岸線に沿って分布している。砂堆とは海の波や潮流によって形成された砂浜が成長した微高地であり、更に堆積した砂が風によって運ばれ小高い丘になったものが砂丘である。浅い深度から砂が堆積し、深度を増す毎に締っていく傾向にあり、住宅地盤としては比較的良好な場合が多い。しかし、表層に緩い砂が厚く被覆する場合には、基礎補強対策が必要となることがある。

地盤データ例
  1. D.中原1丁目

広域埋立地

海岸の浅瀬を人工的に陸地化した部分であり、大規模で厚い盛土が行われている。盛土には掘削残土や瓦礫などを主体とする土砂がよく利用されており、海底に堆積しているヘドロ(非常に緩い砂層)の上に投入されていくため、極めて軟弱な状態となりやすい。通常、表層改良を施して宅盤とするケースが多いが、改良の程度によっては十分な耐力を確保することが困難な場合もあり、慎重な対応が望まれる。