藤沢市の地盤

藤沢市の地盤概要 片瀬山1丁目 本鵠沼4丁目 辻堂新町1丁目 亀井野66* 用田105* 善行坂2丁目

藤沢市の地形

藤沢市は、相模原台地の南端部 から相模湾沿岸域までの地域を内包し、市の北側おおよそ2/3の地域が台地の分布域に属している。台地面は概ね広い平坦面を構成しているが、引地川西方では、谷地の発達が著しく、平坦面に乏しく、斜面を中心とする丘陵開析地形の様相を呈する地域もある。一方、市の南側おおよそ1/3の地域は、相模湾沿岸域に発達した砂堆上にあり、河川流域の一部に氾濫低地後輩湿地などが見られる。また、境川以東には、三浦丘陵の北端を成す丘陵地が分布する。

地形・地質と住宅地盤

台地面

比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は、上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は、安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。

地盤データ例
  1. E.用田105*

丘陵地と低地の境

台地の側面が低地側へと下っている斜面で、台地面と同様に安定した地盤となっている場所もあるが、後背地から浸透してくる雨水や地下水の影響で地盤が軟弱化したり、雨洗によって台地側から運ばれて再堆積した軟弱土が分布する。また、人為的に造成されているため、場所によって盛土の厚さが異なるように地盤のバランスが悪くなっていることがある。したがって、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となることも多い。

地盤データ例
  1. F.善行坂2丁目

丘陵地

海抜高度が高く、自然地盤は堆積年代の古い安定した地層で形成されているが、起伏に富んだ地形となっているため、切土盛土による大規模な造成が施されていることが多い。比較的平坦な頂丘部や切土主体の宅地では良好な地盤となっているが、盛土主体の宅地や切土地盤と盛土地盤が混在する宅地では、バランスの悪い地盤となっており、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となる。

地盤データ例
  1. A.片瀬山1丁目

谷底低地

台地部が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土腐植土)などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下(圧密沈下)を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

地盤データ例
  1. D.亀井野66*

氾濫低地

主に河川流域に見られる標高の低い平坦面である。地下水位が高く、軟弱な粘土シルトが厚く分布しているため、長期的な沈下(圧密沈下)が問題になっている場所が多く、適切な基礎補強策が必要となる。また、同流域の一部には、腐植土有機質粘土が厚く堆積している地域も見られ、基礎補強対策の選定にも十分な注意が必要となる。

砂堆・砂丘

周囲の海岸低地と比べ海抜高度がわずかに高く、海岸線に平行に分布している。海の波や潮流によって形成された砂浜が成長した微高地を砂堆砂州と言い、更に堆積した砂が風によって運ばれ小高い丘になったものが砂丘である。浅い深度から砂が堆積し、深度を増す毎に締っていく傾向にあり、住宅地盤としては、比較的良好な場合が多い。しかし、表層に緩い砂が厚く被覆する場合には、基礎補強対策が必要となることがある。

地盤データ例
  1. B.本鵠沼4丁目
  2. C.辻堂新町1丁目

後背湿地

自然堤防砂堆などの微高地の背後に位置している湿地で、地下水位が高く、排水性の悪い地盤である。軟弱な粘性土有機質土腐植土)が分布しているため、長期的な沈下(圧密沈下)が大きく、適切な基礎補強対策が必要となる。