住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.87

相談内容

妻の実家を建て変えようとおもっているのですが、家の裏には小高い山があります。家から約8m離れたところから約45度で立ち上がり頂上は家のレベルから約25m高いところにあります。

地主の建設会社の地盤調査によると、山の表層は凝灰質シルトと呼ばれる層が約1mあり、その下にシルト岩と呼ばれる層の2重構造になっているようです。これはボーリング試験と簡易貫入試験によるサウンディング調査の結果だそうで、標準貫入試験N値にすると凝灰質シルトとシルト岩のそれはそれぞれ5.5、50以上という結果です。山の表面は木や笹によって覆われています。

現在は山の持ち主である建設会社が実家の土地との境界に深さ1m、高さ4mの間知石壁を作り、その上に水路溝、さらにその上1m程を法枠にしています。しかし一見すると法枠の上にはまだ20m程の手をつけていない部分が大きくのしかかっており地滑りが起きないかどうか心配です。実家の人に聞いたところまだ石壁ができるまえですが、数十年前に台風の際に山が崩れ、家まで土砂が入り込んだことがあったのだそうです。客観的に判断されたときにこの石壁で本当に安全なのでしょうか?もし安全でないとしたらどういった事を行ったらよいのでしょうか?

回答

  • ご指摘の崖の所在地がはっきりしませんが、横浜から横須賀にかけての丘陵地だと仮定して、とても客観的とはいきませんが、推測を述べてみます。
  • N値50以上のシルト岩について、いわゆる泥岩(土丹と呼ばれることもある)ではないかと想像します。
  • 泥岩であれば、構造物を支持する地盤として信頼性のある地層であり、よほどの悪条件が重ならない限り、地すべりなどを起こすことはないと考えられます。
  • 神奈川県内では「神奈川県アボイドマップ」を発行し、急傾斜地崩壊危険区域や地すべり箇所の記録を公開しています。最寄りの役所でヒアリングするとよいでしょう。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。