住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.63

相談内容

この度、建て売り一戸建を購入し、来年春に建築完了予定です。間取りもほぼ私の希望する内容を織込んで頂き、あとは建築されるのを待つのみなのですが、最近気付いたのですが、建築仕様書の「基礎」欄に「ベタ基礎」と記載されていました。

土地の状態(地盤等)については下記のようなのですが、本当に大丈夫なのか少し心配になっています。地盤調査の必要性についてコメントをぜひ頂きたい。

  • 建築予定地は河川横(川幅約10m*深さ5~6mでダムの放水路に使用)の約6m幅の道路を挟み、12ケ建築する予定(敷地面積は約25~30坪/1軒程度)
  • 住所:兵庫県川西市東畦野5丁目→川西市民病院(4F建ての鉄筋)が同列の土地に建設されている(基礎のひび割れ等はなさそう・・・素人目には)
  • 建物は金融公庫保証適用物件(2×4高耐久住宅)である。30年ローン返済。
    現在10月26日の金融公庫締め切りに間に合う様、建築確認取得中。
  • この土地はもともと川西市区画整理組合によって開発された土地であるが、数年来もとの土地の所有者(約6分割されていた)との間で売却についての押し問答があったようで、この間完全に放置されていたとのこと。
  • 99年9月現在では、既に整備されており、前の状態は確認できない(市役所へ確認をとっている最中)が、おそらく田畑、沼地であったものと思われる(工務店談)

工務店への問い合わせ結果結果は下記の通り

  • この土地は数年来放置されていること(雨降って地固まる)
  • 基礎を「べた基礎」とすること
  • 市の区画整理組合が整備していること
  • 金融公庫の補償基準適応物件であること

等から不同沈下等の心配は不要と言われた。但し、詳細の資料を提出頂くことを取り決めた (基礎詳細図面、当該土地の過去の状態と整備状況、地盤調査結果(恐らく調査はしていないと思う)

回答

  • 市民病院は谷地の中にすっぽりと入っているので、その並びであれば、相談されている物件も谷地を埋め立てた場所です。
  • 数年来放置されていた → 厚い軟弱層の上に厚い盛土が施されているほど、落ち着くまでには時間がかかります。
  • ベタ基礎だから大丈夫 → 盛土に大きな瓦礫や廃材が混入していて、ベタ基礎がその瓦礫に接触すると不同沈下の原因になります。ベタ基礎の直下で軟弱層の層厚が急変している場合にも不同沈下に対して注意が必要です。
  • 高耐久住宅である → 建物自体の強度を高くすることで、不同沈下による変形が生じにくくなりますが、地盤が軟弱であれば不同沈下は起こります。
  • 地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験)を1宅地で3ポイント程度実施すれば、軟弱層の厚さ、地層の勾配、瓦礫の有無など上記の気がかりなことのほとんどが判明します。地形的に地盤が軟弱な谷地に立地しているのであれば、調査はやっておく方がよいでしょう。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。