住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.49

相談内容

某ハウスメーカーを通じて、購入予定地の土質調査を貴社で実施していただいきましたが、報告書の見方がよく分かりませんので、ご教授ください。

A、B、Cの3地点においてそれぞれ測定をされていますが、A点及びB点については、貫入深さ0.75メートル、N値が15.0で調査終了していますが、C点では、深さ0.75メートルから1.50メートルまでの間ではN値が順次下降し、最低の4.6にまで下がっているということからは、どういったことが予測できるんでしょうか。

また、この部分に建物を建築する場合、不同沈下等が発生するおそれがあるん でしょうか。
ちなみに建築予定の建物は、木造2階建て、基礎はベタ基礎で、敷地全体に約 30センチメートルの盛り土をしようと考えています。

N値表(土質:粘性土)
A点B点C点貫入深さ
3.63.60.25
7.06.611.40.50
15.015.012.00.75
9.81.00
8.61.25
4.61.50
15.01.75

回答

  • 地盤の良否は測定値だけでは判断することはできません。弊社に保管されている報告書・診断書の内容から解説させていただきます。
  • -0.8m付近までの表土は礫混じりの盛土と推定され、しかもかなり転圧されているらしく、A、B点は途中で貫入不能となったのに対して、C点だけが盛土層の下までの測定に成功しています。
  • 仮にA、B点で礫混じりの盛土を抜いていれば、C点と同様の結果になったと想像されます。
  • -1.5m以深は、周辺一帯の「台地」に特徴的な自然に形成された締まった層であり、この下部に軟弱層は存在しないと判断するため、不同沈下の可能性は小さいというのが結論です。
  • 基礎の接地面に人頭大よりも大きな礫が局部的に接触する恐れがある場合には、砕いたり除去するなどして地盤を安定させる必要がありますが、そのような配慮さえ行えば、基礎だけで支持させることが可能でしょう。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。