住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.44

相談内容

愛知県豊明市に建売住宅(建築条件付)を購入予定です。建築予定地は高台で、1.5m程の擁壁に盛り土をして現在駐車場になっています。

建築業者は、現在の盛り土および擁壁を全て撤去して、再度、高さ3.5m程の擁壁を市の基準に基づいて造りなおすとの説明をしていました。

現在の駐車場にも亀裂等の沈下状態は見られないので地質的には問題無いと思いますが、住宅の引渡しまで5ヶ月とのことで、再度盛り土した地盤がよく固まっているか心配です。

このような造成工事をした場合、どれくらいの期間をおけば地盤は固まるのでしょうか?

回答

  • 高低差が2mを超す擁壁は宅地造成等規制法に抵触するので、建築物とは別に「工作物確認申請」が必要になり、ボーリング・標準貫入試験を実施するよう指導されたり、完了検査などのチェックが厳しくなります。
  • 3.5m擁壁は十数tの自重になります。一般的にはそのままで擁壁を支持できる可能性はないので、杭を擁壁の下に施工することになるはずです。
  • 擁壁の背面には盛土地盤が潜んでいます。盛土は擁壁高に相当するだけの幅で擁壁沿いに分布しています。
  • 盛土は数年間放置しないと締まってきません。盛土は1mの厚さでさえ住宅の荷重よりも重いので、土の重量だけで沈下のスイッチが入り、少なくとも1年以上は大きな沈下量で推移すると考えられます。家を建てれば、さらにそれから新たな沈下が発生します。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。