品川区の地盤

品川区の地盤概要 大井7丁目 二葉4丁目 西品川3丁目 荏原2丁目

品川区の地形

品川区は、武蔵野台地の東端部に位置している。JR品川・京急鮫洲・JR大森の各駅を結ぶラインを境として、西側に台地が分布しており、目黒川や小水路などによって谷地が複雑に刻まれている。また、同ラインから東側は、東京湾を由来とする海岸低地が広がっている。

地形・地質と住宅地盤

台地面

比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は、上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は、安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。

地盤データ例
  1. A.荏原2丁目
  2. B.西品川3丁目

谷底低地

台地部が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土(腐植土)などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下(圧密沈下)を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

地盤データ例
  1. C.二葉4丁目
  2. D.大井7丁目

台地と低地の境

台地の側面が低地側へと下っている斜面で、台地面と同様に安定した地盤となっている場所もあるが、後背地から浸透してくる雨水や地下水の影響で地盤が軟弱化したり、雨洗によって台地側から運ばれて再堆積した軟弱土が分布していることも多い。また、人為的に造成されているため、場所によって盛土の厚さが異なるように地盤のバランスが悪くなっていることがある。したがって、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となることも多い。

海岸低地

東京湾沿岸に広く分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、上部には緩い砂や軟弱なシルトなどが分布しているため、標準的な基礎では、十分な耐力を確保することが困難であり、適切な基礎補強策が必要となる。

砂堆・砂丘

周囲の海岸低地と比べ海抜高度がわずかに高く、海岸線に平行に分布している(品川区では、京浜急行本線の東側に沿って分布する)。海の波や潮流によって形成された砂浜が成長した微高地で、更に堆積した砂が風によって運ばれ小高い丘になったものが砂丘である。浅い深度から砂が堆積し、深度を増す毎に締っていく傾向にあり、住宅地盤としては、比較的良好な場合が多い。しかし、表層に緩い砂が厚く被覆する場合には、基礎補強対策が必要となることがある。