住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.15

相談内容

千葉県船橋市飯山満町3丁目に土地を買い,先日地元の工務店(売り主)に地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験 以下SS試験)を 依頼しました。 土地はもと畑で高台に位置しています。基礎はベタ基礎です。

結果は“概ね回転層よりなる地盤で地層構成は盛土~ローム~粘土~砂と推定。盛土では所々で自沈層が分布するが換算N値は3回を示す。基礎底盤深度をGL-0.50m付近とした場合,支持地盤は盛土であり換算N値は3回程度である。盛土の状態から判断して粘土地盤と仮定し,長期許容支持力度はqa=3.0(tf/m2)を提案する。”とありました。

また,試験結果はN値3を割るところはありませんでした。
因みに貫入深さが1m以下でN値は3~3.4です。 1m以上5m以下で平均4で,5mから6.5mでは3~3.3です。6.5m以上9m以下では最低が3.6で最高が7.9です。最終貫入深さ9.16mでは22.9でした。

工務店の話では2階建て木造住宅の場合,地耐力は2トン以上あれば大丈夫であると言っていましたが“自沈層”の文字が気になっています。

工務店の言うとおり,ベタ基礎なら問題ないのでしょうか?または地盤改良が必要なんでしょうか?
地盤改良が必要な場合,一体どんなことをするんでしょうか? また,地盤調査会社が言うqa=3.0を提案するとはどういう意味なのでしょうか?

回答

  • 高台で元畑であること、-1mまでがN=3であり、-5m付近まで N=4前後であること、などのデータを踏まえると、地盤が軟弱という 判定にはならないような気がします。
  • 高台の台地には、ごく表層に、落葉が火山灰と化合したやや軟弱な土(「黒ボク」)が分布し、その下部に「関東ローム」というSS試験の換算N値で4前後の数値を呈する、地盤としては良好な土が連続すること が多いのです。
  • 黒ボクはこげ茶色、関東ロームは赤褐色です。
  • 基礎の直下の自沈層の層厚が薄いことと、自沈の程度がN=3であるので、地耐力は3t/m2はありそうです。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。