市原市の地盤

市原市の地盤概要 青葉台4丁目青葉台3丁目 五井63* 喜多9* 新堀13* 池和田11* 栢橋3*

市原市の地形

市原市は、千葉県北部から延びる下総台地の南端部と房総半島 の大半を覆う上総丘陵にまたがり、その中心を養老川の低地が南北に貫く地形構成となっている。台地面の分布範囲は市の北部から中部域に及ぶが、いずれの地域でも谷の開析が著しく、分断された小規模な平坦面とそれを取り巻く斜面地からなる。養老川は上総丘陵に端を発し、上流部で切り立つ渓谷(養老渓谷)を、中流域では両岸に段丘状地形を伴う氾濫低地を、下流域では自然堤防を伴う三角州性の低地を形成している。なお、内房線の八幡宿-五井間は旧海岸線の砂堆上を走っている。

地形・地質と住宅地盤

丘陵地

海抜高度が高く、自然地盤は堆積年代の古い安定した地層で形成されているが、起伏に富んだ地形となっているため、切土盛土による大規模な造成が施されていることが多い。比較的平坦な頂丘部や切土主体の宅地では良好な地盤となっているが、盛土主体の宅地や切土地盤と盛土地盤が混在する宅地では、バランスの悪い地盤となっており、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となる。

地盤データ例
  1. A.青葉台4丁目

台地面

比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は、上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は、安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。

地盤データ例
  1. D.喜多9*

台地低位面

低位段丘面とも言う。低地との比高が数m以下で、低地との境が不明瞭な所が多い。主に粘性土を含む砂質細粒物で構成され、砂礫層が 浅く分布することもある。表層部をローム土が被覆することもあるが、いわゆる台地と比べ、地層構成はむしろ谷地氾濫低地砂堆などに似る。浅い深度から安定した砂や砂礫層が分布する場合には良好な地盤と言えるが、構成土が不均一な場合には、不同沈下を防止するような基礎補強対策が必要となる。

地盤データ例
  1. E.新堀13*

台地と低地の境

台地の側面が低地側へと下っている斜面で、台地面と同様に安定した地盤となっている場所もあるが、後背地から浸透してくる雨水や地下水の影響で地盤が軟弱化したり、雨洗によって台地側から運ばれて再堆積した軟弱土が分布する。また、人為的に造成されている ことが多いため、宅地内で盛土の厚さが異なるなど、地盤のバランスが悪くなっていることがあり、注意を要する。したがって、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となることも多い。

地盤データ例
  1. B.青葉台3丁目
  2. F.池和田11*

谷底低地

台地や丘陵地が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土腐植土)などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下(圧密沈下)を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

地盤データ例
  1. G.栢橋3*

氾濫低地

河川流域に広く分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、軟弱な粘土やシルトが厚く分布しているため、長期的な沈下(圧密沈下)が問題になっている場所が多く、適切な基礎補強策が必要となる。

自然堤防

周囲の氾濫低地と比べ海抜高度がわずかに高く、本来は河川に沿って帯状に分布している。河川によって運搬された砂礫が浅い深度から分布しているため、住宅地盤としては比較的良好な場合が多い。しかし、氾濫や蛇行が繰り返されると、自然堤防の上に軟弱な粘性土や緩い砂が被覆される場合もあり、基礎補強対策が必要となることがある。

海岸低地

沿岸に広く分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、上部には緩い砂や軟弱なシルトなどが分布しているため、標準的な基礎では十分な耐力を確保することが困難であり、適切な基礎補強策が必要となる。

地盤データ例
  1. C.五井63*

砂堆

周囲の海岸低地と比べ海抜高度がわずかに高く、海岸線に平行に分布している。海の波や潮流によって形成された砂浜が成長した微高地を言う。浅い深度から砂が堆積し、深度を増す毎に締っていく傾向にあり、住宅地盤としては比較的良好な場合が多い。しかし、表層に緩い砂が厚く被覆する場合には基礎補強対策が必要となることがある。