換算N値と地盤
SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)の換算N値と地盤

地盤調査(SWS試験)から、基礎仕様や地盤補強を判断するための第一歩は、調査結果の換算N値を読むことです。
換算N値と軟弱地盤の関係は、下記マニュアルを参考にしています。

「宅地防災マニュアル」(建設省建設経済局民間宅地指導室:1989)軟弱地盤判定の目安

このマニュアルにおいては、軟弱地盤判定の目安を、地表面下10mまでの地盤に次のような土層の存在が認められる場合とする。

  1. 有機質土・高有機質土(腐植土)
  2. 粘性土で、標準貫入試験で得られるN値が2以下あるいはSWS試験において100kg以下の荷重で自沈するもの(換算N値3以下)。
  3. 砂で、標準貫入試験で得られるN値が10以下あるいはSWS試験において半回転数(Nsw)が50以下のもの(換算N値5以下)。

なお、軟弱地盤の判定にあたった土質試験結果が得られている場合には、そのデータも参考にすること。

換算N値グラフを読む

換算N値グラフの解説

  1. 土質は粘性土か砂質土か
  2. 軟弱な値がどの深さで現れているかに注目します。

※赤色の線、文字は解説のためのものです

台地 粘性土の例(典型的な関東ローム層)

軟弱層が無い
標準基礎で対応

谷地 粘性土の例

軟弱層が2.0m超8.0m以内
柱状改良工法
(ソイルセメントコラム工法)
ジオコラム工法

※模式図のため基礎幅とコラム幅比が実際と異なります

氾濫低地 砂質土の例

軟弱層が2.0m以内
表層改良工法

台地と谷地の境 粘性土の例

地層が傾斜している
不同沈下が起こりやすい地盤
地層に応じてコラムの長さを変える柱状改良工法表層改良工法
ジオコラム工法

補足説明

上記の換算N値グラフ例は、N値と地盤の関係を理解するための典型的な例のため、グラフを見ただけで、ほぼ基礎仕様の判断がつきますが、実際のデータは様々であり、実はどんな場合でも、支持力圧密沈下という2つの側面から地盤の安全性の検討がなされています。

基礎仕様選定に際し、布基礎で対応可能か、ベタ基礎か地盤補強か、地盤補強にしても、どの工法で仕様はどうするかなどの判断は、換算N値だけからだけでは微妙なことが多く、ジオテックでは公的指針や学説、経験を組み合わせた独自の判断基準を用いて考察を行っています。