千葉市緑区の地盤

データ実例E・Fは共に大規模造成地内の同じブロックに位置しています。この二つのデータのように、大規模な造成地においては以前の地形や盛土の精度によって近接する敷地(あるいは同じ敷地内)でも地盤性状が大きく異なる場合があるため、注意が必要です。

E.「台地と低地の境」おゆみ野4住区付近

斜面地のデータ例です。

付近一帯の大規模な造成によって、平坦化された谷地に隣接しています。平坦化にあたって、どの程度の盛土が行われたか不明ですが、国土地理院発行の土地条件図を見ると「高い盛土が施された谷」として表記されています。

深度2.0m付近の硬質層は盛土か自然堆積が考えられますが、いずれにしろ点線で示された軟弱層との差が顕著であるため、不同沈下に対する慎重な対応が望まれます。

このデータの場合、上記のような理由から、軟弱部分の強度を確保するためには、適切な地盤補強策が必要と診断されました。

F.「台地と低地の境」おゆみ野4住区付近

斜面地のデータ例です。

データ例Eと同様に、平坦化された谷地に隣接しています。

データ例Eと同様に、国土地理院発行の土地条件図では「高い盛土が施された谷」として表記されています。実際にどの程度の盛土なのかは不明ですが、少なくとも深度1.0m付近での突出した数値は盛土に含まれる瓦礫の影響と考えられます。

深度2.0m付近の硬質層についても同様の可能性がありますが、仮に盛土であったとしても比較的良好に締固まっていると予測されます。

このデータの場合、上記のような理由から、基礎直下にある瓦礫は除去または置換し、併せて基礎の接地圧を低減するなどの配慮が必要と診断されました。

上記地盤データは、地形・地質と住宅地盤との関連を説明するための参考のものです。同じ町内だからといって、同じような地盤状況とは限りません。具体的な建築計画の際には、実際の現地調査をおすすめします。