住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.90

相談内容

大田区に土地を購入し、家の建築を計画中です。低い土地で地盤が心配なので、調査の依頼を考えているのですが、地盤以外にも気になる部分があるのです。

裏の家はかなりの高台に建っており、土地の境界あたりにかなりの高さの擁壁があり、私の土地にはその擁壁を押さえるようなかたちで、擁壁がつくられています。不動産屋さんには、押さえの擁壁を境界の擁壁近くまで削るように改修すれば、土地を広く使える、と全面改修を勧められたのですが、強度的に大丈夫なのでしょうか。

押さえの擁壁は一部壊れている以外は頑丈に見えるので、その部分を補修すれば問題ないような気がするのですが、地盤の調査と併せて擁壁の調査及び補修の提案なども行っていただけるのでしょうか?
また、その費用はどのくらいでしょうか?

回答

  • 自宅側の擁壁を削るだけの「全面改修」ならば、やめた方が良いと思います。改修するのであれば、鉄筋コンクリートで垂直の擁壁(逆L型擁壁)を新築することになる でしょう。
  • 擁壁の健全性については、見た目だけで判断はできないので、一部をくり貫いてサンプリングしたコンクリートを強度試験にかけるなどして劣化の度合いを検査したり、構造計算を再度行うなど、かなりの手間と費用がかかるはすです。しかも専門の検査会社に委託するしかありま せん。
  • たとえば、インターネットのサーチエンジンで「コンクリート」、「診断」、「劣化」などというキー・ワードで検索すると、次のような会社が抽出できます。
    中外テクノス株式会社 http://www.chugai-tec.co.jp/
  • 斜面の保護は、基本的に斜面の所有者の責任において行うことが義務づけられていますから、隣地地主に事情を聞いてみることや、太田区役所の消防防災課?で、当該の崖が急傾斜地崩壊危険区域に指定されていないかどうかなどを問い合わせることも大切です。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。