住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.86

相談内容

南側の隣家(約40センチ段下・木造2階建て)で基礎の亀裂があるということで建築業者に依頼し、亀裂のある部分を鉄筋が現れるまで幅10センチに渡って基礎を崩し新たにコンクリートを流し込みました。亀裂は基礎の通風口の下隅から垂直方向に10センチくらい有り、裏側にも亀裂があるということで工事に至ったそうです。

調べてみるよう隣家からのお勧めで自宅(木造2階建て)も見てみるといくつかを除くほとんどの通風口が同じように亀裂がありました。

私の心配は、隣家のような崩して詰め直す方法が本当に良い方法なのかということです。修繕の方法に問題はないのでしょうか?

幸いにも建て付けが悪いなどの自覚症状はまだありませんが、根本的な対策は必要でしょうか?

回答

  • 問題の要点は、何が原因で基礎に亀裂が発生したかということです。コンクリートの材料としての質が悪かったか、コンクーリトの流し方が悪かったための亀裂であれば、ご指摘の修復方法でも差し支えないと考えます。
  • しかし、地盤が原因で建物が不同沈下しており、そのために基礎に無理な力がかかって亀裂が入ったのであれば、コンクリートで修復するだけでは十分とは言えないでしょう。
  • 見分け方は、基礎上端部の水平性をレベル測量し、建物の両端で高さが不揃いであれば、不同沈下の可能性が濃厚ということになります。
    ※10mの延長距離に対して30ミリの高さの差があるとき、基礎には亀裂が生じることがあります。
  • 付近一帯は軟弱層が厚く堆積している地域ではありませんが、 念のため地盤調査をしてみるのも今後の対策を考える上で有効 です。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。