住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.93

相談内容

兵庫県西宮市で購入を検討している、39坪の土地についてご相談申し上げます。

昔、田んぼだった所を宅地造成したところらしく、区画内の5ポイントをスウェーデン式サウンディングにて地盤調査したところ、一様に1.5-3.0mが非常に軟弱であることが分かりました。

住宅メーカーは鋼管杭での補強工事を行えば住宅の10年保証は出来ると言っていますが、鋼管杭で地盤沈下は防げるとして地震の際の対策にはならないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

重量のあるセメントカラムの方が横揺れに強いというようなことはないのでしょうか。

なお、地質は粘土混砂でいずれのポイントも一様に以下の様なデータ(N値)でした。
0.50m=5.9, 0.75m=5.0, 1.00m=4.0, 1.25-2.50m=<2.0, 2.75m=4.6, 3.00m=6.9, 3.25=5.7, 3.5m=18.0

回答

  • 10年保証は不同沈下対策としてであって、地震対策については一般に保証は付きません。地震では、コンクリートの支持杭でも破壊されるほどのエネルギーが出るので、直径の大きなソイルセメントコラムであっても保証が難しいのです。ましてコラムに鉄筋は入っていません。
    ※ ソイルセメントコラムの重量はそれほど重くありません。土の重量に比べても重量増加はわずかです。
  • ただし、建物の下に数十本もコラムを配置すれば、地震の際に地盤の揺れ方が変わります。地震動を増幅する可能性のある軟弱地盤で、振動を小刻みに変調することが期待できます。(絶対ではありませんが。)
    ※ 鋼管杭についてもそのような地盤全体を締める機能がないわけではないでしょう。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。