朝霞市の地形

朝霞市は、武蔵野台地の北東周縁部に位置しており、市の南部・西部にはほぼ台地が広がっている。台地には、河川や水路などの浸食により形成された大小の谷地が広く複雑に分布する(黒目川流域では武蔵野台地を分けるように比較的大きな谷地が形成されている)。市の北東部は、荒川や新河岸川によって形成された氾濫低地となっており、それら河川の氾濫と蛇行の痕跡として砂分を主体とする微高地(自然堤防)が散在している。

地形・地質と住宅地盤

台地面

比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は、上部のローム土（赤土）と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は、安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。

地盤データ例

1. A.三原３丁目
2. B.本町２丁目

谷底低地

台地や丘陵地が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土（腐植土）などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下（圧密沈下）を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

*データ例Ｃは台地上の窪地または浅い谷にあたります。一般に雨水などの浸食によって周囲の台地から土砂が集まりやすく、程度差はあるものの軟弱な傾向にあります

地盤データ例

1. C.宮戸１丁目
2. D.岡３丁目

氾濫低地

荒川や新河岸川流域に広く分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、軟弱な粘土やシルトが厚く分布しているため、長期的な沈下（圧密沈下）が問題になっている場所が多く、適切な基礎補強策が必要となる。

自然堤防

周囲の氾濫低地と比べ海抜高度がわずかに高く、本来は荒川や新河岸川に沿って帯状に分布している。河川によって運搬された砂や砂礫が浅い深度から分布しているため、住宅地盤としては比較的良好と考えられる。しかし、河川の氾濫と蛇行によって、自然堤防の上に新しく軟弱な粘性土や緩い砂が堆積している場合も多く、基礎補強対策が必要となる。

地盤データ例

1. E.田島１丁目