横浜市西区の地盤

横浜市西区の地盤概要 南浅間町* 岡野町1丁目 南軽井沢1* 境之谷11* 西戸部町3丁目

横浜市西区の地形

西区は下末吉台地の中央部やや南側に位置しており、区の北端部と南部には台地が分布している。台地面は降雨や流水路の浸食によって刻まれ、谷地の形成が著しく、斜面も発達している。区の中央付近には帷子川の旧河口地帯と考えられる海岸低地が広がっている。また、JR京浜東北線を境に、海に向かって広域埋立地が広がっている。

地形・地質と住宅地盤

台地面

比較的海抜高度が高く起伏の少ない平坦面で、関東ローム層と呼ばれる火山灰土で覆われている。関東ローム層は上部のローム土(赤土)と下部の凝灰質粘土に大別されるが、自然堆積したローム土は安定しており比較的大きな強度が期待できるため、表土部分に注意すれば住宅地盤として良好な場合が多い。しかし、下部の凝灰質粘土は部分的に軟弱になっていることがあるので、ローム土が薄く、凝灰質粘土が浅く分布している場合には、基礎補強対策が必要となることがある。

地盤データ例
  1. A.西戸部町3丁目

丘陵地と低地の境

台地の側面が低地側へと下っている斜面で、台地面と同様に安定した地盤となっている場所もあるが、後背地から浸透してくる雨水や地下水の影響で地盤が軟弱化したり、雨洗によって台地側から運ばれて再堆積した軟弱土が分布する。また、人為的に造成されているため、場所によって盛土の厚さが異なるように地盤のバランスが悪くなっていることがある。したがって、不同沈下を防止するような基礎補強策が必要となることも多い。

地盤データ例
  1. C.南軽井沢1*

谷底低地

台地部が小さい河川などによって削られて形成された低地で、台地部の間に樹枝状に分布している。台地を形成していた土砂が再堆積した土や有機質土腐植土)などが分布しており、非常に軟弱な地盤となっている。したがって、長期的な沈下(圧密沈下)を防止するような基礎補強策が必要となることが多い。

地盤データ例
  1. B.境之谷11*

海岸低地

東京湾沿岸に広く分布する標高の低い平坦面である。地下水位が高く、上部には緩い砂や軟弱なシルトなどが分布しているため、標準的な基礎では、十分な耐力を確保することが困難であり、適切な基礎補強策が必要となる。

地盤データ例
  1. D.岡野町1丁目
  2. E.南浅間町*

広域埋立地

海岸の浅瀬を人工的に陸地化した部分であり、大規模で厚い盛土が行われている。盛土には掘削残土や瓦礫などを主体とする土砂がよく利用されており、海底に堆積しているヘドロ(非常に緩い砂層)の上に投入されていくため、極めて軟弱な状態となりやすい。通常、表層改良を施して宅盤とするケースが多いが、改良の程度によっては十分な耐力を確保することが困難な場合もあり、慎重な対応が望まれる。