住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.72

相談内容

中古住宅を購入しようかと見てきたのですが、基礎に気になることがありました。

物件は、平成1年築の鉄筋コンクリート造り2階建て、総建坪46坪です。高台ですので、地盤は良さそうですが、スウェーデン式サウンディング試験の結果は聞いていません。

その基礎に、1.5mから2mくらいの間隔でかなり規則的に、上部より縦に20cmくらいのひび(クラック?)が入っています。

回答

  • どのようなクラックであるのか定かではありませんが、規則的に縦方向にクラックが入っているのであれば、鉄筋量が不足しているのではないかと考えられます。
    基礎の立ち上がり部分(梁)には、鉄筋が垂直に1本等間隔に配列されますが、その間隔が開いているために、基礎の両端が垂れ下がるような形でたわんでいて、上端部がひっぱられることによってクラックが生じたと考えるのが、最も自然な推論です。
  • 鉄筋コンクリート造であれば、建築確認申請の際に、役所からボーリング・標準貫入試験または平板載荷試験を実施するよう指導されている可能性があります。
    木造とは異なり鉄筋コンクリート造では構造計算書を提出することになっており、その際、スウェーデン式サウンディング試験のデータは採用されないことがあるのです。
    木造2階建てまでは、地盤調査は任意であり、スウェーデン式サウンディング試験でも十分なデータが得られますが、材質が鉄筋コンクリートや重量鉄骨になると指導が厳しくなります。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。