住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.19

相談内容

建設会社に勤務していながら、専門ではないので教えて下さい。

そろそろ実家を建替えて、二世帯住宅を建てようと思って住宅メーカー等と話合いを進めているのですが、今の経済情勢を考えるとあまり借金をしたくないと考えています。 ところが、実家の土地は道路より地盤が高く約1.8メートルの高さまで大谷石が積んであります。この石も二回に分けて積んであり、古いものは昭和初期に積んだものだという事です。この下部分の石垣は風化によりデコボコしており、汚くなっていますので、建替えと同時にやりかえようと思いましたら、これをコンクリートで全部やりかえると600万円位かかると言われ困ってしまいました。

そこで、ある住宅メーカーが建物の基礎を石垣に荷重がかからないように深くして、石垣に近い部分は若干の地盤改良をしておき、現在の石垣はモルタルを塗り、吹き付け塗装等を施しておけば見た目の悪さも解消出来るし、建物によって石垣が崩れる心配は無いし、昔の工事なので立派な石でもったいないと提案してきました。

建物の荷重の問題はこれで大丈夫なのでしょうか? また、石垣にモルタルを塗ったとして、直ぐに剥離してしまうようでは困りますし、クラックだらけになってもみっともないと思いますがこのあたりも大丈夫なのでしょうか?

回答

  • 宅地造成等規制法では、高さ2m以上の古い擁壁に近接して建物を 建築する際に、擁壁の最下部から宅地へ向かって30度の勾配で 斜線を描き、そのラインよりも上側の土は地すべりで流れることを 想定して、建物の基礎を30度ラインよりも深い層に接地させることが 要求されます。
  • 擁壁側の基礎を「深基礎」にすれば、建物荷重が擁壁を圧迫せず、 しかも、万が一、地震などで擁壁が崩壊したとしても、建物は自立 していられます。
  • 石垣に塗布するモルタルの剥離については、専門外なので明快な お答えはできかねますが、施工上の工夫や熟練の問題で解決でき るはずです。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。