住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.3

相談内容

環境は良く気に入って購入を検討している新規分譲地(建築条件付き)があります。
所在地は静岡県袋井市久能平宇(国土地理院1/50,000磐田)
標高80m程度の丘陵(可睡斉)から宇刈川へかけての西斜面。元工場跡地で擁壁約1~1.5mの雛壇で造成。最終分譲区画ですでに造成から2年ほど経過。
8割以上の区画が建築済みです。

前一昼夜やや強く雨が降り続いた日の早朝、検討している区画(南東の角地)から道路(6m)を隔てた東側区画の擁壁(高さ約1.5m)の3段ある水抜き穴の最も下からかなり水が出ていました。上2段はほとんど出ていません。水は雨水溝に流れ込み道路を超えて自分の検討している区画へ流入しているわけではありませんがやや不安になります。
水抜き穴からの水は一時的な雨の為かそれとも地下水でいつも出ているのかは良く分かりません。今度晴天時に行く予定です。
売主の話では柱状に穴を掘りコンクリートと土をまぜたものを流し込み地盤改良を実施してから建築するという話です。

回答

雨天に水抜き穴から水が出ていなければ、擁壁に過剰な水圧がかかり危険な徴候といえますが、逆に、水抜き穴から水が出ているという現象そのものは、ごく当たり前のことです。

晴天にも絶えず水が出ていれば、その宅地が「集水地形」に立地しているのかもしれません。水が周囲から集まってくる窪地や低地では、地盤が軟化している可能性がありますが、それを確かめる方法は、現地で実施する地盤調査しかありません。(低地や窪地は盛土されていることが多いので、見た目ではそのような場所に見えないことがあります。)

地盤改良が必要かどうかを判断する根拠と改良工事の仕様を決定するのも地盤調査のデータ次第です。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。