横浜市南区の地盤

B.C.は付近一帯に広がる大規模な造成分譲地内に位置します。一般に、丘陵の造成ではもともと起伏に富む自然地形に大幅な改変が加えられることが多く、大胆な切土・盛土が施され、ほとんど平坦に見える場合さえあります。しかし、この例のように敷地の持つ本来の地形条件によっては地盤の良否が左右されることもあり、注意が必要です。

B.「丘陵地」永田山王台2*付近

丘陵の大規模造成地のデータ例です。

地表部から硬質な粘性土が堆積していると考えられます。したがって、造成前の地形は丘陵の尾根筋付近と推察されますが、丘陵斜面を切土により宅盤とした可能性もあります。

このデータの場合、住宅地盤として良好と診断されました。(注: 切土のみによる宅盤であれば、診断に変わりはありません)

C.「丘陵地」永田山王台1*付近

データ例Bと同じ大規模造成地内に位置します。

下部硬質層に傾斜が認められ、その深度に比例して上部の軟弱層の層厚が増しています。したがって、改変前の地形は、細線・太線・点線の順に下る丘陵斜面と推察されます。

このデータの場合、各測点で軟弱層の層厚および程度の差が顕著であることから、起こり得る不同沈下を防止するために、適切な地盤補強策が必要と診断されました。

上記地盤データは、地形・地質と住宅地盤との関連を説明するための参考のものです。同じ町内だからといって、同じような地盤状況とは限りません。具体的な建築計画の際には、実際の現地調査をおすすめします。