住宅地盤相談室に寄せられたご相談内容 No.48

相談内容

土地の購入を検討しています。 その土地ですが、傾斜地に高さ約7mの擁壁をつくり埋め立てています。 不同沈下が心配です。地盤改良で対応可能でしょうか?

回答

  • 高さ2m以上の擁壁は「工作物確認申請」を提出し、その際に適正な地盤調査を実施した上で、地盤の強度を算定した結果に基づいて擁壁の構造検討書を作成しているはずです。
  • 7mの高さの擁壁は非常に大きな荷重を持っているので、岩盤のようによほど地耐力を見込める地層でもない限り、そのまま地盤に接地させているとは考えられません。杭などで擁壁を安全に支持させているかどうかを確認する必要があります。
  • 役所で完了検査を実施済みの擁壁であれば「検査済証」が発行されているはずです。
  • 擁壁の形状がどのようなものなのか、検査済証の有無、擁壁上の宅盤の地盤調査結果によって、不同沈下対策は異なります。
  • 検査済証が発行されている場合の代表的な対策は、柱状地盤改良工法です。改良工事の設計のためには、盛土の地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験)データが必要です。
    ※ 擁壁が鉄筋コンクリート造L型擁壁の場合、その水平部分の「底版」に負荷を与える鋼管杭よりも柱状地盤改良が適しています。
    ※ 地盤改良などを施工するには、施工機械が宅盤に搬入できることが前提です。

【 お願い 】

ご相談の事案に対する回答は、限られた情報によって推測される所見であることをご承知ください。
したがって、この回答を直接的に交渉や請求の手段とすることはご遠慮くださるようお願い申し上げます。